『金属の溶解性』
2nd
よし。今回のテーマの本題にいこうか。
今回のテーマは、【無機化学】の『総論』における、
『金属の溶解性』
とよばれるものだ。
先ほど、イントロがてら、ウォーミングアップしたような問題だ。
『冷水 (常温の水) に溶けるのは?』
『塩酸や希硫酸に溶けるのは?』(jocabulary的には “フツーの酸”ってやつ)
『王水に溶けるのは?』
こういう問題を、カンペキに満点とれるように、なろう。
そのためには、次のような【まとめの表】を、“いつでも自由に、アタマの中に再現” できるようになるのが、最短ルートだ。

キミは、この表の空欄を、埋められるかい?
埋めると、こうなる。

「〇」 → 溶ける 「網掛け部分」 → 溶けない
【イオン化列】(イオン化傾向) の並びの “意味 (とらえ方)” は、
【右にいくほど強くなっていく】ように並んでる
だったね?
それにしたがって視れば (みれば) 、
「水」→「フツーの酸」→「酸化力のある酸」→「王水」
というように、
「より、強力な液体」を使うほど、「より、強い金属までも」を溶かせるようになっていく
ことが、わかるね。
※1 「水」にも、“温度のちがい” によって「冷水 (=常温の水)」「熱水 (=沸騰水)」「高温水蒸気」の3種類がある.
※2 「酸化力のある酸 (酸化力の強い酸)」は非常に重要だ。「熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)」「濃硝酸」「希硝酸」の3種類がある。〈強さのランキング〉でいえば「フツーの酸」<「酸化力のある酸」<「王水」となる。
(「フツーの酸」では溶かせない Cu や Ag までもを溶かすことができるのが、「酸化力のある酸」だ.)
しかし、
“何となく、そういうコトね. なるほど~” とわかる (正確には、分かった気になる) のと、
“完全に、得点できる仕上がりにもっていく” のは、
全く、ちがうコトだよね。
このエリア『金属の溶解性』で【満点を取るために必要なコト】は、次の2つだ。
★満点に必要なコト①【 “境界線” を完全に、覚える】
★満点に必要なコト②【 “例外” を完全に、覚える】
この2つ。
まず、①【 “境界線” を完全に、覚える】
コレをカンペキにしよう。
まずは、結論から。
Step①:「フツーの酸」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ H (水素) ” ! が境界線!
Step②:「酸化力のある酸」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ Cu, (Hg), Ag ” まで! が境界線! ( Hg は入試には、あまり出題されないね.)
Step③:「王水」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ Pt, Au の2人 ” まで! が境界線! (つまり、全員溶かせる.)
Step④:「水」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “3・1・3” (さん・いち・さん!のリズム) ! が境界線!
じゃあ、キミも一緒に、【まとめの表】を、つくっていこう。(プリントがあるキミは、準備しよう.)
Step①:「フツーの酸」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ H (水素) ” ! が境界線!

“境界線” の理由
「酸」が出す「H+」(水素イオン) で勝てるヤツらまでは、溶ける!
(つまり、「H」よりも【左側 (よわい側)】は溶ける. 【右側 (つよい側)】は溶けない.)
[memo] 「酸」とは「H+」(水素イオン) を出す物質. それが〈定義〉であり、それ以上でも、それ以下でもない.
➡ JOE先生が、「塩酸 HCl」「希硫酸 H2SO4」のことを “わざわざ” 名づけて「フツーの酸」と呼んでいるのは、この観点による. つまり、「塩酸 HCl」「希硫酸 H2SO4」は、〈酸の定義〉である「H+ (水素イオン) を出す」こと以外には、特別なコトは何もできない. よって、「塩酸 HCl」「希硫酸 H2SO4」は、酸としては、極めて平凡なのである.
➡ ちなみに、その「フツーの酸」を超える『強力な酸』が、そう。『酸化力のある酸』である。『熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)』『濃硝酸』『希硝酸』の3人だ。「フツーの酸」が「ただ、H+を出すだけ」であるのに対して、『酸化力のある酸』は、その名のとおり強力な『酸化力』を持つ。『酸化力』 とは『電子 e– をムリヤリ奪い取る力』のことだ。
『熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)』『濃硝酸』『希硝酸』の3人は、その『電子 e– をムリヤリ奪い取る力』により、【屈強な金属】である【Cu や Ag】からも『電子 e– 』を奪うことができる。結果、【Cu から 2e– を奪い取って Cu2+】にしたり、【Ag から 1e– を奪い取って Ag+】にしたりして、彼らを【イオン化】し、溶かすことができる。《理屈》も、わかったかい?
(この知識 (ミカタ) は、【酸化還元】という分野で学ぶ、重要な概念だ. もし、キミが『酸化』『還元』という概念を『電子 e– 』を通した視点で理解していないならば、今ここが、それを掴み直す良いチャンスになる. 【無機化学】は、このように【酸化・還元】などの土台がある人は、グッと理解がカンタンになる場面が非常に多い.)
~ Message:【酸化・還元】をJOE先生に習った塾生諸君へ ~
【酸化剤『10+1個』】【還元剤『9+1個』】を “今すぐ” にスラスラ言えるかい?
『酸化剤10+1個』はー、『過マンガ…』『二クロ…』…『熱濃硫酸』『濃硝酸』『希硝酸』…ってメロディしたヤツね. (ほら、ここにでてくる『3人』が、今ここでも、役立ったね.)
よし。この《理屈》もわかったなら、次も超スムーズに理解できるぞ。
Step②:「酸化力のある酸」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ Cu, (Hg), Ag ” まで! が境界線! ( Hg は入試には、あまり出題されないね.)

“境界線” の理由
「酸」が出す「H+」(水素イオン) では倒せない【屈強な金属】である【Cu, (Hg), Ag】も『酸化力のある酸』なら勝てる! 溶かせる!
(先ほど、既に詳しく話したとおりだ.)
しかし、そんな強力な『酸化力のある酸』である3人をもってしても、倒せない、溶かせない【最強の2人】がいる。(心当たりは、もうあるね?)
さあ。次だ、ドンドンいこう。
Step③:「王水」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “ Pt, Au の2人 ” まで! が境界線! (つまり、全員溶かせる.)

“境界線” の理由
【王様の水】. コイツに溶かせないものはない.
(めっちゃシンプル. カンタンだね.)
ちなみに、
画像に、さりげなく載せてる『プチ知識』も、ちゃんと全部、見てるかい?
♪【1升3円】(いっしょう さんえん)
口ずさんでおこうね。
Step④:「水」の “境界線” を覚える
➡ 結論は “3・1・3” (さん・いち・さん!のリズム) ! が境界線!

“境界線” の理由
( 考えるな. 感じろ. )
というか【さんイチさん!】と唱えまくれ.
理由なら、ある。
化学的な視点からの説明も、可能だ。
しかし、思い出してほしい。原点を。
「キミは、“説明” をしたかったのか?」
それとも
『 “点を取れるヤツ” に、なりたかったのか?』
もちろん、キミは『満点』をとりにきた。
なら、
( 考えるな. 感じろ. )
そういうときが、ある。
いやむしろ、そういうときばかりだ。
ちなみに、オレは、心の中で、“こっそり” こう唱えてる。
( サンド イッチ )
【3 1 3】だから、
『3 (さん) 』が『1(イチ) 』を、“はさんでいる” だろう。
ちなみに。
オレが、次のような入試問題を解くとき、
【問題】ナトリウムとマグネシウムは、いずれも、冷水 (常温の水) と反応する。(正誤問題)
「理屈」(化学的な理由) など、一切考えない。
そのかわりに、心の中で、
【3 1 3】(サンド イッチ) で、【3 (K, Ca, Na) 】【1 (Mg) 】だから、「ナトリウム」は〇だけど、「マグネシウム」は ✕ だな。
こうやって、解いているだけだ。
(【イオン化列】を、書かずに、アタマに浮かべられる力も、大切.)
ちなみに、
「理由」を言え、といわれれば、言えるし、
「化学反応式を書け」と問われれば、書ける。
その状態にありつつも、
「理屈」などはすっとばして、『答えを1秒で出せる力』。
コレが、入試というスポーツで、勝敗を分けるカギだ。
さて。ここまで来たキミは、
『金属の溶解性』マスター
と言っても、過言ではない。
【まとめの表】もきっと、スラスラ書けるだろう。
【境界線】も、自信をもって、引けるハズだ。
つまり、【全体像】が掴めている、そんな状態だといえる。
しかし、入試という競技の【陰湿なトコロ】。
それは、【全体像】を掴めている人に、「点を与えてはくれず」、
【些末な例外】を問うてくるトコロだ。
この
『金属の溶解性』
のエリアは、特にその【些末な例外】が、非常によく、問われる。
それが、
【例外①】 不動態
【例外②】 難溶性の塩
この2つだ。
聞き覚えのある諸君も、たくさんいるハズだ。(特に、【不動態】)
さあ。あとはもう、【例外マスター】になるだけだ。