【無機化学(総論⑤)】2nd

『金属の溶解性』

2nd

 

よし。今回のテーマの本題にいこうか。

 

今回のテーマは、【無機化学】の『総論』における、

『金属の溶解性』

とよばれるものだ。

 

先ほど、イントロがてら、ウォーミングアップしたような問題だ。

 

『冷水 (常温の水) に溶けるのは?』

『塩酸や希硫酸に溶けるのは?』(jocabulary的には “フツーの酸”ってやつ)

『王水に溶けるのは?』

 

こういう問題を、カンペキに満点とれるように、なろう。

 

そのためには、次のような【まとめの表】を、“いつでも自由に、アタマの中に再現” できるようになるのが、最短ルートだ。

 

 

キミは、この表の空欄を、埋められるかい?

 

埋めると、こうなる。

 

「〇」 → 溶ける      「網掛け部分」 → 溶けない

 

【イオン化列】(イオン化傾向) の並びの “意味 (とらえ方)” は、

【右にいくほど強くなっていく】ように並んでる

だったね?

 

それにしたがって視れば (みれば) 、

「水」→「フツーの酸」→「酸化力のある酸」→「王水」

というように、

「より、強力な液体」を使うほど、「より、強い金属までも」を溶かせるようになっていく

ことが、わかるね。

※1 「水」にも、“温度のちがい” によって「冷水 (=常温の水)」「熱水 (=沸騰水)」「高温水蒸気」3種類がある.

※2 「酸化力のある酸 (酸化力の強い酸)」は非常に重要だ。「熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)」「濃硝酸」「希硝酸」3種類がある。〈強さのランキング〉でいえば「フツーの酸」<「酸化力のある酸」<「王水」となる。
(「フツーの酸」では溶かせない Cu や Ag までもを溶かすことができるのが、「酸化力のある酸」だ.)

  

しかし、

“何となく、そういうコトね. なるほど~” とわかる (正確には、分かった気になる) のと、

“完全に、得点できる仕上がりにもっていく” のは、

全く、ちがうコトだよね。

 

このエリア『金属の溶解性』で【満点を取るために必要なコト】は、次の2つだ。

満点に必要なコト①【 “境界線” を完全に、覚える】

満点に必要なコト②【 “例外” を完全に、覚える】

この2つ。

まず、①【 “境界線” を完全に、覚える】

コレをカンペキにしよう。

 

まずは、結論から。

 

Step①:「フツーの酸」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ H (水素) ” ! が境界線!

 

Step②:「酸化力のある酸」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ Cu, (Hg), Ag ” まで! が境界線! ( Hg は入試には、あまり出題されないね.)

 

Step③:「王水」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ Pt, Au の2人 ” まで! が境界線! (つまり、全員溶かせる.)

 

Step④:「水」“境界線” を覚える

➡ 結論は “3・1・3” (さん・いち・さん!のリズム) ! が境界線!

 

 

じゃあ、キミも一緒に、【まとめの表】を、つくっていこう。(プリントがあるキミは、準備しよう.)

 

 

Step①:「フツーの酸」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ H (水素) ” ! が境界線!

 

 

“境界線” の理由

酸」が出す「H+」(水素イオン) で勝てるヤツらまでは、溶ける!

(つまり、「H」よりも【左側 (よわい側)】は溶ける. 【右側 (つよい側)】は溶けない.)

 

[memo] 「酸」とは「H+」(水素イオン) を出す物質. それが〈定義〉であり、それ以上でも、それ以下でもない.

➡ JOE先生が、「塩酸 HCl」「硫酸 H2SO4」のことを “わざわざ” 名づけて「フツーの酸」と呼んでいるのは、この観点による. つまり、「塩酸 HCl」「硫酸 H2SO4」は、〈酸の定義〉である「H+ (水素イオン) を出す」こと以外には、特別なコトは何もできない. よって、「塩酸 HCl」「硫酸 H2SO4」は、酸としては、極めて平凡なのである.

➡ ちなみに、その「フツーの酸」を超える『強力な酸』が、そう。『酸化力のある酸』である。『熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)』『濃硝酸』『希硝酸』の3人だ。「フツーの酸」が「ただ、H+を出すだけ」であるのに対して、『酸化力のある酸』は、その名のとおり強力な『酸化力』を持つ。『酸化力』 とは『電子 e をムリヤリ奪い取る力』のことだ。
『熱濃硫酸 (=熱した濃硫酸)』『濃硝酸』『希硝酸』の3人は、その『電子 e をムリヤリ奪い取る力』により、【屈強な金属】である【Cu や Ag】からも『電子 e 』を奪うことができる。結果、【Cu から 2e を奪い取って Cu2+】にしたり、【Ag から 1e を奪い取って Ag+】にしたりして、彼らを【イオン化】し、溶かすことができる。《理屈》も、わかったかい?

(この知識 (ミカタ) は、【酸化還元】という分野で学ぶ、重要な概念だ. もし、キミが『酸化』『還元』という概念『電子 eを通した視点で理解していないならば、今ここが、それを掴み直す良いチャンスになる. 【無機化学】は、このように【酸化・還元】などの土台がある人は、グッと理解がカンタンになる場面が非常に多い.)

 

~ Message:【酸化・還元】をJOE先生に習った塾生諸君へ ~

【酸化剤『10+1個』】【還元剤『9+1個』】を “今すぐ” にスラスラ言えるかい?

『酸化剤10+1個』はー、『過マンガ…』『二クロ…』…『熱濃硫酸』『濃硝酸』『希硝酸』…ってメロディしたヤツね. (ほら、ここにでてくる『3人が、今ここでも、役立ったね.)

 

よし。この《理屈》もわかったなら、次も超スムーズに理解できるぞ。

 

Step②:「酸化力のある酸」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ Cu, (Hg), Ag ” まで! が境界線! ( Hg は入試には、あまり出題されないね.)

 

 

“境界線” の理由

酸」が出す「H+」(水素イオン) では倒せない【屈強な金属】である【Cu, (Hg), Ag】も『酸化力のある酸』なら勝てる! 溶かせる!

(先ほど、既に詳しく話したとおりだ.)

 

しかし、そんな強力な『酸化力のある酸』である3人をもってしても、倒せない、溶かせない【最強の2人】がいる。(心当たりは、もうあるね?)

 

さあ。次だ、ドンドンいこう。

 

Step③:「王水」“境界線” を覚える

➡ 結論は “ Pt, Au の2人 ” まで! が境界線! (つまり、全員溶かせる.)

 

 

“境界線” の理由

【王様の水】. コイツに溶かせないものはない.

(めっちゃシンプル. カンタンだね.)

 

ちなみに、

画像に、さりげなく載せてる『プチ知識』も、ちゃんと全部、見てるかい?

 

♪【1升3円】(いっしょう さんえん)

 

口ずさんでおこうね。

 

Step④:「水」“境界線” を覚える

➡ 結論は “3・1・3” (さん・いち・さん!のリズム) ! が境界線!

 

 

“境界線” の理由

( 考えるな. 感じろ. ) 

というか【さんイチさん!】と唱えまくれ.

 

理由なら、ある。

化学的な視点からの説明も、可能だ。

しかし、思い出してほしい。原点を。

 

「キミは、“説明” をしたかったのか?」

それとも

『 “点を取れるヤツ” に、なりたかったのか?』

 

もちろん、キミは『満点』をとりにきた。

 

なら、

( 考えるな. 感じろ. )

そういうときが、ある。

いやむしろ、そういうときばかりだ。

 

ちなみに、オレは、心の中で、“こっそり” こう唱えてる。

( サンド イッチ )

【3 1 3】だから、

『3 (さん) 』が『1(イチ) 』を、“はさんでいる” だろう。

 

ちなみに。

オレが、次のような入試問題を解くとき、

 

【問題】ナトリウムとマグネシウムは、いずれも、冷水 (常温の水) と反応する。(正誤問題)

 

「理屈」(化学的な理由) など、一切考えない。

 

そのかわりに、心の中で、

【3 1 3】(サンド イッチ) で、【3 (K, Ca, Na) 】【1 (Mg) 】だから、「ナトリウム」は〇だけど、「マグネシウム」は ✕ だな。

こうやって、解いているだけだ。
(【イオン化列】を、書かずに、アタマに浮かべられる力も、大切.)

 

ちなみに、

「理由」を言え、といわれれば、言えるし、

「化学反応式を書け」と問われれば、書ける。

その状態にありつつも、

「理屈」などはすっとばして、『答えを1秒で出せる力』。

コレが、入試というスポーツで、勝敗を分けるカギだ。

 

さて。ここまで来たキミは、

『金属の溶解性』マスター

と言っても、過言ではない。

 

【まとめの表】もきっと、スラスラ書けるだろう。

【境界線】も、自信をもって、引けるハズだ。

 

つまり、【全体像】が掴めている、そんな状態だといえる。

 

しかし、入試という競技の【陰湿なトコロ】。

それは、【全体像】を掴めている人に、「点を与えてはくれず」、

【些末な例外】を問うてくるトコロだ。

 

この

『金属の溶解性』

のエリアは、特にその【些末な例外】が、非常によく、問われる

 

それが、

【例外①】 不動態

【例外②】 難溶性の塩

この2つだ。

 

聞き覚えのある諸君も、たくさんいるハズだ。(特に、【不動態】) 

 

さあ。あとはもう、【例外マスター】になるだけだ。

 

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